ゲノム編集トマトとは
品種改良の新しい技術として注目が集まるのが「ゲノム編集」です。ゲノムとは各生物が持つ遺伝情報の全体のことで、その変化が品種のバリエーションを生み出します。例えば、アレルゲンとなるタンパク質の遺伝子を壊す、ジャガイモの毒素をつくる遺伝子を機能しないようにするなど、植物が望ましい性質になるように遺伝子を変えます。
これまでもさまざまな品種改良の方法が開発されてきましたが、どこが変化するかはランダムで、偶然の産物を待つしかありませんでした。一方、ゲノム編集は狙いを定めて遺伝子を変化させることができるため、品種改良の時間の大幅な短縮が見込まれています。
日本では、血圧上昇を抑える効果があるGABA(ガンマアミノ酪酸)を多く含むトマトが、ゲノム編集食品として2020年12月に初承認されました。このゲノム編集トマトは、普通のトマトの4〜5倍のGABAを含んでおり、1日に2個のミニトマトで血圧上昇抑制に十分な量のGABAを摂取できると言われています(右図:サナテックシード社提供)。
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